2026年2月1日にベトナム全国の中学生、高校生を対象にした「第2回全国日本語スキットコンテスト」(共催:ハノイ国家大学外国語大学)1を行いました。このコンテストでは、生徒たちが50枚の写真の中から5枚を選び、「世界に一つだけのストーリー」を作って、スキットを演じます。当日は、応募数104作品の中から、台本審査を通過した中学生部門4校、高校生部門8校が演技をしました。

今回の記事では、それぞれの部門で金賞に輝いた2校の生徒たちにインタビューをしました。当日のスキットはどのように生まれたのでしょうか。ぜひ、当日の動画2とあわせてお楽しみください!
中学生部門 金賞:「未だ見ぬ心へ」動画はこちら
ハイフォン市・Chu Van An中学校 (7・8年生)
Zelo-One: Nguyễn Ngọc Mai Khôi(コイ)
(人間の心臓が入った)Zelo-One、患者:Nguyễn Ngọc Trâm Anh(アイン)
医者:Phạm Hoàng Gia Hưng(フン)
看護師:Nguyễn Bảo Hân(ハン)
ボランティア、息子:Phạm Bảo Nam(ナム)
ナレーター、病気のお母さん:Đặng Minh Khuê(クエ)
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あらすじ:「人間よりもロボットの方が正確で強い」と考えているロボットのZelo-Oneは、手違いで「人間の心臓」で1日を生きることになる。病院にいる親子やボランティアたちに会い、人間の温かさや強さを知ったZelo-Oneは、人間とロボットが心を通わせ、ともに生きていくことを望むようになる。
‐台本を作るときに工夫したことはなんですか。
「写真の意味をよく考えて、スキットを見る人たちに『心』が伝わるようにセリフを考えました。」とロボットのZelo-One役を演じたアインさん。先生とみんなでたくさん意見を出し合いながら、台本を完成させたそうです。意見がたくさん出たからこそ、「まとめるのは大変で、けんかすることもありました。でも、台本が完成してからはみんな集中して、一生懸命練習しました」と同じくZelo-One役を演じたコイさんが話してくれました。
‐スキットを演じるときに工夫したことはありますか。
「セリフだけでなくどうやったら自然に聞こえるのかをたくさん考えました。」医者を演じたフンさんと看護師を演じたハンさんは医者や看護師がどんな仕事なのかを調べて、練習しました。息子役を演じたナムさんは、病気のお母さんを励ますセリフが難しかったそうで、「セリフは少なくても、どうすれば前向きになってもらえるか、感情をこめてセリフを練習しました」と話してくれました。
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‐練習のときに大変だったことはありますか。
「限られた時間の中での練習は、本当に大変でした」とナレーターのクエさん。このチームは7年生と8年生がおり、学年が違うため、なかなかみんなで練習する時間が取れなかったようです。まずは、1人1人が自分のセリフを覚えることに集中し、その後、全員で練習できたのはだいたい1週間。短い時間で集中してスキットを仕上げました!
‐本番はどうでしたか。
「はじめて大きなコンテストに参加できて、いろいろな人に自分たちのスキットを見てもらえるので、わくわくしていました。本番中はロボットの心をどうすれば観客に伝えればいいかを考えながら話しました。」とクエさん。
フンさんは「本番前は、もし間違えてしまったら…と不安でしたが、本番では落ち着いて演技ができました」、ハンさんは「スキットが終わったときは達成感と、自分たちはうまくできた!という自信がありました。」と、話してくれました。
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最後に、チームを指導したHồ Thị Hoài Nam(ナム)先生からコメントをいただきました。
「チームの生徒たちは日本語を勉強し始めてから、まだあまり時間が経っていませんでしたし、大きなコンテストに出ること、日本語で演技をするのは初めてのことでした。でも、コンテストまで一生懸命練習して、だんだん自信をもって演技ができるようになっていく姿を見て、とても感動しました。普段の授業では恥ずかしがってあまり話さない生徒も、当日は自信をもってスキットをしてくれました。生徒たちはスキットコンテストからたくさんの学びを
得られたと思います。」
高校生部門 金賞:「夢の半分」動画はこちら
ハノイ市・外国語英才高校 (11年生)
ユキ:Trần Tiến Đoàn(ドアン)
アオイ:Phan Duy Minh(ミン)
先生:Nguyễn Duy Gia Hiển(ヒエン
ナレーター:Phạm Duy Đạt(ダット)
監督:Hán Nguyễn Bình Nguyên(グエン)、Nguyễn Đức Tường Minh(ミン)
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あらすじ:大学受験まで残り1ヶ月。病気になってしまった親友アオイの分も、ユキは希望の大学に進学できるよう必死に勉強する。受験当日、ユキはアオイの思いを胸に受験に挑み、アオイは同じ時間に大きな手術を受ける。
高校部門で金賞を受賞した「夢の半分」は、ステージに上がった演者の3人とナレーターの1人のほかに、チームを支えた監督2人の計6人で作られたものでした。
‐台本を作るときに工夫したことはなんですか。
「台本は演者とナレーターの4人で作りました。写真を選んでからストーリーを書くか、台本を書いてから写真を選ぶかといった、作り方で意見が合わなくて、全然ストーリーが決まりませんでした。なので、4人それぞれがストーリーを書いてきて、一番よかったものを土台に作っていくことにしました。ただ、そのときも全然意見が合わなくて…」とユキ役のドアンさんが話してくれました。
やっと決まった台本も、本番前日のリハーサルでは、車いすなど小道具の運搬などもあり、スキットの制限時間を超えてしまいました。その後、控え室で1から台本を見直し、夜にまたもう一回ミーティング、そして当日にも自分たちだけでリハーサルをして、本番を迎えたそうです。本番で演技をした「夢の半分」は最後の最後にやっと完成しました。
‐練習のときに大変だったことはありますか。
演者の3人はそれぞれの役になりきるのが難しかったと話してくれました。アオイ役のミンさんは、友だちの名前を呼ぶ「ユキ」というたった一言のセリフだけでも監督、他のメンバーに何度も注意されたそうです。先生役のヒエンさんは、「ユキ」と「アオイ」に真摯に向き合う役だったので、表情や話し方がとても難しかったと話してくれました。いちばん出番が多いユキ役のドアンさんは、ただ歩く、そして話すときの目線だけで、何度も監督に「やり直し」と言われていたそうです。
練習中は「シリアスな場面なのに真剣にできなかったし、集中できなかったので、お互いに何が良かったとか、そこをこう直した方がいいとか意見を出しあったりしながら、短い時間に区切って練習していました。」とヒエンさん。
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‐本番はどうでしたか。
「ぼくたちはプロとかではないし、学生なのでそんな難しいことはできないから、台本をまずちゃんと覚えて、覚えてなかったら、即興でもいいから、ちゃんとセリフを終わらせる。その考えでやりました。」とドアンさん。ヒエンさんは「(前日に台本が)大きく変わったし、今年が初めて(の出場)だったので、とても緊張しました。でもミスもなく悔いのない演技でした。」と話してくれました。
結果発表のときは「他の高校の演技もとても素晴らしかったので、ずっとドキドキしていました。」とナレーターのダットさん。ヒエンさんは「金賞だとわかったときはうれしすぎて涙がでた」そうです。
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‐スキットコンテストに出てみて、どうでしたか。
「練習の時にけんかしたこともあったけど、お互いに助け合って、大勢の前でスキットをできたのはいい経験になりました。」「一緒に集まって、いろいろな意見を言い合って、練習するのはなんだかんだ楽しかったです。」とのこと。「夢の半分」チームのみなさんは、来年、12年生。大学受験を控えていますが、また参加したいと言ってくれました。
おわりに
全国大会に出場した12校以外にも、コンテストにはベトナム全国からたくさんの応募をいただきました。どれも想像力あふれた素敵な作品ばかりで感動しました。ご応募、ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。来年も、どんなスキットが見られるかとっても楽しみです!
注1:「第1回全国日本語スキットコンテスト」(共催:ハノイ国家大学外国語大学)の様子はこちらの動画と記事をお読みください。
動画:https://www.youtube.com/live/xxeo2WfGGJg?si=HVwoSN6tbfmLvdez
記事:Tạp chí điện tử về giáo dục tiếng Nhật(日本語)
Số đặc biệt! Bài phỏng vấn các học sinh nhận giải tại cuộc thi Kịch ngắn tiếng Nhật Toàn quốc(ベトナム語)
注2:上記のグループを含む12のスキット、さらに4つのパフォーマンスは「ULIS VNU」のYou tubeチャンネルでお楽しみいただけます。以下のリンクから、ぜひご視聴ください。
動画:https://youtu.be/iH50qSknpbU?si=MsTVqC2rDAYyCFlw
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インタビューはベトナム語と日本語で行いました。本稿はインタビューの際のご本人のベトナム語または日本語を編集したものです。写真はいずれもスキットコンテスト当日に会場で撮影されたものです。
発行/国際交流基金ベトナム日本文化交流センター
発行日/ 2026年7月21日
執筆/宮川裕士朗(同センター日本語指導助手)
編集/藤長かおる(同センター日本語上級専門家)
土屋仁美(同センター日本語専門家)
土谷リサ(同センター日本語事業担当スタッフ)
インタビュー通訳/Vu Khanh Huyen
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