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特別記事!全国日本語スキットコンテスト受賞者インタビュー

2025年1月12日に中高生対象「全国日本語スキットコンテスト」(共催:ハノイ国家大学外国語大学)を行いました。このコンテストでは、生徒たちが50枚の写真の中から5枚を選び、「世界に一つだけのストーリー」を作って、スキットを演じました。今回の記事では、台本審査を通過して全国大会に出場した10チームの中から、金賞、銀賞、銅賞に輝いた3つの学校の生徒にインタビューをしました。生徒たちはどんな思いで作品を作り、演じたのでしょうか。ぜひスキットの動画1とあわせてお楽しみください!

 

 

 

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金賞 「忘却の紅葉」動画はこちら

 

あらすじ: 父子家庭で心優しい子に育ったたけしは、10歳の誕生日を迎え、将来は医者になることを決意する。8年後、たけしは日本の大学の医学部で学ぶためにベトナムを飛び立つが……

 

ハノイ市・外国語英才高校2 10年生

Nguyen Duc Tuong Minh(ミン)さん、Pham Duy Dat(ダット)さん、Tran Tien Doan(ドアン)さん、Dang Viet Anh(ヴィエット・アイン)さん、Nguyen Pham Bao Chau(チャウ)さん

 

クラスみんなで作り上げた作品

金賞を受賞した「忘却の紅葉」チームは、クラスみんなでコンテストに応募しました。ステージに上がる演者は4人ですが、クラスメイトが各自の長所を生かせるように、ベトナム語台本チーム、日本語翻訳チーム、小道具チームなどに分かれ、協力して準備を進めたとのこと。このいくつかのチームを、チャウさんが総監督としてまとめました。

父親役のミンさんは「本番でステージが成功したのは、ステージに立っていない友達が支えてくれたおかげ」と語っていました。インタビューを受けた生徒からは、クラスメイトへの感謝の気持ちがあふれ出ていました。

 

どうやったらお客さんに伝わる?

主人公たけしの感情や成長をどうやって観客に伝えるかが鍵でした。みんな演劇は初めての挑戦。最初はなかなかうまくいかず、たけし役のダットさんは「指摘をもらって自信を失うこともあった」とふり返っていました。それでも、感情に合わせて声のトーンを変えるなどメンバーと練習を続け、「ラストシーンは涙が出るほど感動的に仕上がった」そうです。

また、小道具にも工夫がありました。例えば、医学部で過ごした6年間の時間の経過が伝わるように、徐々に本の量を増やすなど。使ったのはシンプルな道具ですが、「少し工夫するだけで、より的確に場面が伝えられておもしろい!」とヴィエット・アインさんは気づいたそうです。

 

本番は大成功!

「みんな100%以上の力を出して役になりきれた」と、達成感と満足感に満ちた声が聞かれました。とはいえ、やっぱり本番に緊張はつきもの。ナレーターとして噛まないように毎日練習をしていたドアンさんは、「何度練習をしても本番は緊張するものですね」と話していました。

客席から見ていた総監督のチャウさんは、演者のみんながお客さんのことを意識して、相手に伝わる演技ができていたと感じたそうです。

「応援に来ていたクラスメイトの存在のおかげもあり、納得のいくステージになりました」

 

 

銀賞 「海は私たちの家」動画はこちら

 

あらすじ:お腹を空かせた2匹のワニが何か話している。「ねえねえ、あの泳いでいるもの、食べられる?」「食べてみて!」1匹のワニがペットボトルを食べてしまい……

 

ハノイ市・Be Van Dan中学校 7年生 

Vu Nguyen Ha Phuong(ハー・フオン)さん、Pham Nguyen Minh Khang(カン)さん、Hoang Nhat Lam(ニャット・ラン)さん、Pham Thi Lan Phuong(ラン・フオン)さん

 

たくさん練習をしました

「海は私たちの家」チームの4人は、応募したときは「本当に私たちにできるかな…」と不安な気持ちがあったそうです。発音に苦戦したり、スキットが時間内に収まらなかったり、うまくいかないことも多かったと話していました。それでも、みんなで相談しながら作り上げたストーリー。たくさんのお客さんに想いを届けたいと思い、試験期間の前だったにもかかわらず、日本語の先生たちにアドバイスをもらいながら、毎日90分の練習を続けました。

ワニ役やナレーターを担当したハー・フオンさんは、「いちばん難しかったのは台詞にどうやって気持ちを乗せるか」だと言っていました。それで、学校だけでなく、家でも両親の前で何度も練習をしたそうです。

 

ドキドキの本番!

「大きい会場でお客さんが多かったので、緊張しました」と語ったのは印象的な海役を演じたラン・フオンさん。立派にゴミ役を演じたカンさんも、当日は会場までの道のりもずっとドキドキしていたそうです。そんな緊張の中で、4人は先生や保護者、他校の先輩たちから応援してもらい、観客の記憶に残る魅力的なスキットを演じ切りました。工夫のポイントの一つであったキャラクターの衣装替えも、本番では無事に成功しました。「想像していなかった賞までもらえて、誇りに思う」と4人ともうれしそうに話していました。

ワニ役と汚れた海を助ける役を担当したニャット・ランさんは、この経験を通して日本語がもっと好きになったそうです。「これからも日本語の勉強をがんばろうと決めました!」と、強い決意を示してくれました。

 

 

銅賞 「惑星ゼノラの命」動画はこちら

 

あらすじ:汚染されてしまった惑星ゼノラを再生するために、ソララとザイアラは地球に降り立った。2人は、自分の星では失われてしまった大自然を楽しんでいたが、途中で変なサルに出会って……

 

バリアブンタウ省・Ba Ria高校 12年生

Pham Le Ngoc Bich(ビック)さん、Truong Hoai Phong(フォン)さん、Vu Ngoc Nhu Quynh(クイン)さん、Truong Ngoc Quynh Nhu(ニュー)さん

 

「環境を守ろう!」を伝えたい

「惑星ゼノラの命」チームのクラスでは、日頃から木を植える、ごみ拾いをするなど、環境保護のボランティア活動を行っているそうです。それで、「環境を守ろう!私たちの地球を守ろう!」というメッセージを伝えたいと思ったそうです。そして、このメッセージを伝えるために、個性的で観客を引き付けるスキットが完成しました。

特にお客さんの目を引いたのが宇宙人ソララとザイアラのピカピカ光る衣装。これは生徒の手作りで、「バリアブンタウからハノイまで飛行機の移動もあったので、衣装を壊さずに運ぶのにすごく気を遣いました」とビックさんは笑いながら話してくれました。

本番では、緊張しながらも、自分たちのメッセージが客席に伝わったと手応えを感じたとのこと。「日本語の先生たちと発音やイントネーションを一生懸命練習した」とみんな話していましたが、本番ではその成果も発揮されていました。

 

コンテストを通じて

本番、楽しみながらサルになりきれたと話すニューさんは、このコンテストに向けた練習、本番、すべてが高校生活の中で忘れられない思い出になったそうです。コンテストはグループでの参加であったため、「日本語でのコミュニケーション能力はもちろん、チームワークの力もついた」とクインさんは語っていました。インタビューの様子からも、台本作成に始まり、演技や日本語の台詞の練習、衣装作成まで、4人が和気あいあいと協力している様子が想像できました。

また、みんなで一つのものを作り上げたこの経験が自信を生み出したようで、卒業後に日本へ留学する予定のフォンさんは、「これからさらに日本語の勉強に力を入れたい」と頼もしく語ってくれました。

 

 

注1:上記のグループを含む10のスキット、さらに4つのパフォーマンスは「ULIS VNU」のYoutubeチャンネルでお楽しみいただけます。以下のリンクから、ぜひご視聴ください。

https://www.youtube.com/live/xxeo2WfGGJg?si=L3oeHL45gD9YFx3W

注2:外国語英才高校のみなさんは、10年生のクラス全体で応募してくれました。今回は、代表で演者を務めた4名と総監督を務めた1名の生徒にインタビューをしました。

 

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インタビューはベトナム語と日本語で行いました。本稿はインタビューの際のご本人のベトナム語または日本語を編集したものです。写真はいずれもスキットコンテスト当日に会場で撮影されたものです。

 

発行/国際交流基金ベトナム日本文化交流センター

発行日/2025年4月20日

執筆/藤村春菜(同センター日本語指導助手) 

編集/藤長かおる(同センター日本語上級専門家)

   藤井舞(同センター日本語専門家) 

   生駒美帆(同センター日本語指導助手)  

   土谷リサ(同センター日本語事業担当スタッフ)

インタビュー通訳/Do Quynh Anh(同センター専任講師)

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