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特別記事!大学生訪日研修に参加して

今回は、2024年度から新たに始まった「大学生訪日研修」*(国際交流基金関西国際センター:JFKCにて実施)の第1回研修にベトナムから参加した6人の若き「にほんご人」のみなさんに、研修での学びやこれからの抱負についてうかがいました。この記事は、研修後にハノイで実施した座談会を踏まえて、1人1人に執筆してもらったものです。

 

ハノイ国家大学外国語大学言語文化学部(ULIS)とハノイ大学日本語学部(HANU)からの参加者6人

 

研修に参加しての自分の変化や、良かったことなど、いちばん心に残ったことを教えてください。

Bui Viet Linh ブイ・ヴィエット・リン):ULIS

プログラムを通じてのいちばん大きな変化は、自分の快適な領域から抜け出せたことです。研修プログラムでは、多くの人たちと出会い、素晴らしい経験を積むことができました。その経験を通じて、自分がいる快適な領域から抜け出す勇気を持つことで、望むことが達成できるということを実感しました。いちばん心に残っていることはJFKCの人たちです。お世話になったスタッフの皆さん、貴重な教訓を教えてくださり、無条件で応援してくださった先生方、そして、毎日午前2時までたくさん笑わせてくれた研修生の皆さん、この素晴らしい夏が過ごせたのは皆さんのおかげです。

 

Ton Thien Hai Minh トンティエンハイミン):ULIS

いちばん心に残っているのは、JFKCで出会った友達、先生方、そして一緒にすごした素晴らしい日々のことです。研修中、SDGsを基礎としたいろいろな学習テーマを通じて、日本の現代社会の諸問題について調べました。クラス内で学ぶだけでなく、自分の周りのいろいろな場面で、それについて目にすることもできました。そして、関連施設の見学や発表会などのおかげで、自信を持って行動することができるようになったと感じています。来日前は「内向的な性格だし、エネルギーのない私は友達が少ないのは仕方ない」など、消極的な姿勢だったのですが、たくさんの国から来た友達との出会いをきっかけに、世界中の人々の生活、文化や価値観を理解することができました。

 

Doan Thi Van (ドアン・ティ・ヴァン):ULIS

JFKCで作った綺麗な思い出の中でいちばん心に残ったことと言えば、一回目の飲み会です。研修生はみんなで海岸に集まって楽しくしゃべりました。出会ったばかりで、あまり雑談をしなかった私たちが、どんどん仲良くなっていきました。また、センターのスタッフは私たちのことを心配し、遅くまで待ってくれました。すごく愉快で、心も温かくなったのを思い出します。その時のことを思い出す度に、胸の奥が揺れているようです。また、このプログラムで私は積極的に変わってきました。さまざまなバックグランドを持つ友達と出会い、多様な価値観に触れました。多角的な視点から考え、判断できるようになってきました。コミュニケーション能力と言語能力も大きく向上したと感じています。また、研修中に、先生にいつも応援してもらい、自分の意見を優しく受け入れてもらったのは私にとって大きな自信となりました。

 

Nguyen Khanh Linh グエン・カイン・リン):HANU

私の心にいちばん残ったことは、ビーチでのパーティーです。皆が隣に座り、食べたり飲んだりしながら話をしました。その時、私たちは1ヶ月前に出会った異国の人々というよりも、長い間の親友のように感じました。クラスの中では私たちは真剣な生徒ですが、パーティーでは一緒に歌ったり踊ったりしてとても楽しかったです。こうしたパーティーは本当に素晴らしく、皆を結びつけるものでした。そこで、私たちは自分自身でいられ、生活のすべてをシェアし、自分の好きなことをすることができました。実は、研修参加前、私は自分の日本語のスキルが大丈夫か、新しい環境に適応できるか、ちょっと心配でしたが、研修に参加して、今では、センターがまるで私の第二の家のように感じられます。

 

Trieu Thi Hien Luong チエウ・ティ・ヒエン・ルオン):HANU

いちばん記憶に残っているのはグループ活動です。思っていたよりもグループ活動が多く、アイスブレイクや授業、大阪オリエンテーション、小学校訪問の準備、発表会など、どの活動でもグループに分かれて取り組む必要がありました。最初は大変だなと思っていましたが、グループ活動のおかげで友達を作ることができました。参加者は18の国や地域から来ていたので、初めのうちはほとんど同じ国の人としか話しませんでしたが、グループ活動を通じて、一人一人の趣味や性格を知り、少しずつ仲良くなりました。飲み会やカラオケ、BBQパーティーなど、一緒にさまざまな活動をして、最高の夏休みを過ごすことができました。

 

Ngo Nguyen Tue Minh ゴ・グエン・トゥエ・ミン):HANU

私にとって研修で経験したすべての瞬間が思い出深いです。週末には一緒に遊びに行く計画を立て、たくさん歩き、駅で迷うこともありました。また、センターの先生やスタッフの温かい心遣いが今も心に残っています。先生たちはいつも私たち研修生を褒めたり、応援してくれたりして、もっと自分の意見を表現するように励ましてくれました。研修プログラムを通じて、長い時間をほかの国の研修生と共に過ごす中で、みんなの優しさや誠実さを感じ、たくさん助けてもらったおかげで、心をさらに開くことができました。また、さまざまな文化に触れることができ、自分をもっと成長させたいという意欲が高まりました。

 

 

広島研修旅行

研修でのプレゼンテーション

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐日本語や研修での経験を活かして、これからどんな仕事につきたいか、どんなことをしたいかなど、将来の抱負についてお聞かせください。

Viet Linh ヴィエット・リン):これから頑張りたいことがたくさんありますが、まずは自分の生活をもっと健康的に改善したいと思っています。日本での生活を通して、健康の重要性を感じました。毎日3食しっかりと摂り、歩いたりスポーツをしたりすることが、健康に大きな影響を与えていることを実感しました。次に、日本に再び戻りたいという意欲が湧きました。また、この6週間の生活を通じて、SDGsが日常生活の中で頻繁に取り上げられていることに気づきました。だから、SDGsの重要性についての認識を向上していきたいと思います。ベトナムではどうすれば日本のようにSDGsを効果的に実現したり、学校やコミュニティでの教育プログラムを通じてSDGsの重要性を広めたりすることができるか考えたいと思います。

Hai Minh ハイ・ミン):将来の計画はいろいろありますが、まずは、日本語学の修士課程に進めればと思っています。また、研修に参加して、自分が国際的な環境に興味・関心があるということにも気付いたので、もっといろいろな国の友達に出会って、彼らの国の文化・考え方などを学んでいきたいと思うようになりました。機会があれば、将来、世界中の人々をいつも歓迎しているJFKCのような職場で働きたいと思います。

Van (ヴァン):今回のプログラムを通して、進路がはっきり想像できるようになりました。外国語能力を活かしてグローバルな仕事を目指します。日本で経験したことを活用し、日本とベトナムの架け橋になれるよう尽力したいです。たとえば、日系企業の進出のサポートをしたり、異文化間の衝突を緩和したりする役割を担いたいと思っています。

Khanh Linh カイン・リン):この研修を通じての最も大きな変化は自信です。自分の安全ゾーンから一歩踏み出し、チャレンジすることができ、それが、知識や生活スキルの向上に大いに役立つことを知りました。また、言語スキルやプレゼンテーション、チームワークのスキルも大幅に改善されました。将来は、研修を通じて得た経験と知識を活かして、自分の言語スキルをもっと向上させたいと思っています。日本語だけではなく、英語や中国語などのスキルも改善したいです。さらに、さまざまな仕事にチャレンジして、自分が本当に何に最も適しているのかを見極めたいと考えています。

Luong ルオン)実は、大学で専攻している分野が自分に向いていないと感じ、これからどうするべきかいつも悩んでいました。この研修プログラムに参加したことで、いろいろな国や地域から来た友達と出会い、日本語力だけでなく英語力も向上しました。また、いろいろな日本文化を体験することもできました。この経験を活かして、将来の仕事について改めてしっかり考えたいと思います。

 

田尻町の盆踊りに参加

 

Tue Minh トゥエ・ミン):私は、これまでの日本語学習を通じて、異文化理解と国際的な視野を広げてきました。将来は、これらのスキルを活かしてグローバルな環境で働きたいと考えています。特に、異なる文化を持つ人々と協力しながら、社会に貢献できる仕事に携わりたいです。自己成長を大切にし、リーダーシップやコミュニケーション能力を高めながら、より良い社会に貢献できる存在を目指していきます。

 

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「日本語パートナーズ派遣事業カウンターパート学習者訪日研修(大学生・夏)」(2024年7月9日~8月20日)は、大阪にある国際交流基金関西国際センターで実施され、18の国・地域から36人が参加しました。研修には、SDGsをトピックにしたテーマ学習のほか、「浴衣、華道、書道」などの文化体験活動、広島・岡山、奈良への研修旅行などが含まれています。

この座談会は日本語で行いました。本稿は、座談会のあとご本人が日本語とベトナム語で執筆してくれたものです。写真はいずれもご本人からの提供です。

 

発行/国際交流基金ベトナム日本文化交流センター

発行日/2024年12月20日

執筆/Bui Viet Linh、Ton Thien Hai Minh、Doan Thi Van(ハノイ国家大学外国語大学)
  Nguyen Khanh Linh、Trieu Thi Hien Luong、Ngo Nguyen Tue Minh(ハノイ大学)

編集/藤長かおる(同センター日本語上級専門家)

   生駒美帆(同センター日本語指導助手)

   藤村春菜(同センター日本語指導助手)

            土谷リサ(同センター日本語事業担当スタッフ)

            レ・トゥ・チャン(同センター日本語事業担当スタッフ)

 

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