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好きだから、楽しいから、がんばれる

Trịnh Duy Thôngさん 

 

 

今回は、ダナンにある日本食居酒屋「縁」で働くTrịnh Duy Thông(トン)さんにインタビューしました。トンさんは、日本での留学・アルバイトや、日系ホテルの厨房での経験を活かし、現在は居酒屋の料理人兼ホールスタッフとして働いています。 

 

 


 

日本人顔負けの技術 

 

トンさんのメインの業務は、寿司や刺身の調理で、魚をさばくところから担当しています作業は主に店内のカウンター内で行うので、カウンターに座っているお客さんとコミュニケーションを取るのも、トンさんの仕事の一部です。お客さんの8割は日本人なので、日本語で話すことがほとんどで、趣味やスポーツの話など、世間話をするのも楽しいそうです。 

 

トンさんは以前日本の居酒屋やダナンの日系ホテルの厨房で働いた経験がありそのおかげで、今のお店で働くことになったときもあまり苦労しなかったと言います中でも、盛り付けをきれいにするのが得意とのこと。トンさんの包丁さばきは素晴らしく、盛り付けや所作もきれいなため、日本人の店長が「自分がいなくても信頼して任せられる」と話すほどです。 

 

 

トンさん自慢の美しい盛り付け 

  

日本語との出会い 

 

トンさんは元々ベトナム国内の大学に行くつもりでしたが、勉強を熱心にしていなかったため失敗してしまいますそんなトンさんに当時日本で働いていたお兄さんがしびれを切らし、日本で勉強してはどうかと提案「日本語を勉強させられることになった」のが、日本語との出会いでした。 

 

こうして沖縄県那覇市の日本語学校へ留学することになったトンさん。留学が決まってからもあまり勉強せず遊んでいましたが、いざ日本へ行くと、日本語ができないと生活が大変だと気づき真面目に勉強に取り組み始めました学校の先生もクラスメイトも面白い人たちで、楽しく勉強することができたそうです。 

 

「好きなことは諦めずに続けられる」というトンさんは、教室ではもちろん、家で自習したり、お兄さんに手伝ってもらったりして、半年経つ頃にはクラスでトップの成績になりました 

 

現在にも活きるアルバイトの経験 

 

日本語ができるようになってくると、アルバイトにも変化が出てきます。 

 

沖縄県の居酒屋でアルバイトを始めたトンさんは、初めはあまり日本語を使わない洗い場の担当でしたが、調理スタッフが足りなくなったことにより調理場の担当となります。そこで料理長から、包丁の使い方や盛り付けの基本について教わりました。日本語がわからないと任せてもらえない業務に抜擢されたトンさん。 

 

「日本語が上手にならなければ、今も料理の仕事はしていなかったかもしれません。」 

 

このときのアルバイト経験は今の仕事にも大きく役立っていて、「いらっしゃいませ」「喜んで」などの居酒屋でよく使う言葉はこのときに学びました。また日本人のアルバイト仲間との関係も良好で、楽しみながら日本語力を磨くことができたと言います。「初めはお疲れさまですなどの「つ」の発音がうまくできなかったのですが、閉店後にバイト仲間と何十回も練習して、発音もきれいになりました」と思い出についても語ってくれましたこのお店では、日本に留学中の3年半の間ずっと働いていたそうです。 

 

 

 

 

ベトナムに帰国してからも様々な日本食屋で働きますが、中でも1年ほど働いたダナンの日系ホテルの厨房での経験は大きかったそうです。日本では経験したことのなかった魚のさばき方もここで学び、さらに日本食に魅了されました「魚によって骨の形や硬さが違って、面白いんです」と、目を輝かせます 

トンさん自慢の盛り付けの彩り、野菜などの切り方、高さの出し方などは、これらの職場や独学でも学びました。 

 

日本食、そしてお店への愛 

 

トンさんに、将来の目標についても聞いてみました。 

 

現在クアンナム省でおじいさんと共に作っている畑で日本のわさびを育てる計画をしており、そこで育てたわさびをベトナム国内の日本食屋で使ってもらうのが、近い将来の夢だそうです。調理するだけではなく、食材から作ってしまおうという、日本食に対する愛がうかがえます。 

 

今の目標は、お店をもっとよくすることとトンさんは話します。実はこのインタビューをしたのはテト期間中だったのですが、トンさんは毎日出勤し、お店に貢献していました 

 

調理もホールも、できることは何でもやります。」 

 

今のお店で働き始めて2年ほどだそうですが、あふれ出る向上心と、店長の期待も受け、料理や盛り付けの腕前も接客もまだまだ伸びしろがありそうです。 

 

日本語も料理も「好き」「楽しい」という気持ちが原動力となり成長してきたトンさん今後も持ち前の技術と日本語力でベトナムと日本をつなぐトンさんの活躍に期待です 

 

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インタビューは日本語で行いました。本稿はインタビューの際のご本人の日本語を編集したものです。写真はいずれもご本人からの提供です。  

 

 

発行/国際交流基金ベトナム日本文化交流センター  

発行日/20244月20日  

執筆/生駒美帆(同センター日本語指導助手)  

編集/藤長かおる(同センター日本語上級専門家)  

   藤村春菜(同センター日本語指導助手)  

   土谷リサ(同センター日本語事業担当スタッフ) 

 

 

 

 

 

 

 

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